オタマジャクシの育て方(カエルの里親になるために)

オタマジャクシの育て方(カエルの里親になるために)

自宅でオタマジャクシを育てて田んぼに帰そう

トウキョウダルマガエル里親プロジェクトにご参加いただきありがとうございます。
本マニュアルは、トウキョウダルマガエルのオタマジャクシを健康に育て、自然に還すことを目的としています。
トウキョウダルマガエルは東京の貴重な財産です。本プロジェクトを通じて、地域の自然や生物多様性への理解を深め、命の大切さを学ぶ機会となることを願っています。

 

オタマジャクシの育て方(カエルの里親になるために)

トウキョウダルマガエルの特徴

トウキョウダルマガエルは、丸みを帯びたやや太めの体形をしており、背中に黒い斑紋があることが特徴です。
国立市の田んぼや農業用水路に生息し、冬期は畑などの土中で冬眠します。寿命は約4年です 。
 

オタマジャクシの育て方(カエルの里親になるために)
水は深くしすぎない、エアーポンプがなくても水草があれば大丈夫

オタマジャクシの育て方

飼育準備

1. 飼育容器の準備

蓋つきのプラスチックケースまたは水槽を用意してください 。  
水草や石を配置し、オタマジャクシが隠れられる場所を確保してください 。  
容器は、静かで明るい場所に設置してください 。  

2. 飼育水の準備

水道水をそのまま使用することはできません。1日以上汲み置きするか、カルキ抜きを使用してください 。  
水深はオタマジャクシが十分に泳げる5~10cm程度が適切です 。  
水温の変化に注意し、直射日光が当たりすぎないように管理してください 。  

オタマジャクシの飼育

1. エサやり

エサは、ホウレンソウ、小松菜、お麩、魚のエサなどを与えてください 。  
細かく砕き、1日に1~2回与えてください 。  
食べ残しは水質悪化の原因となるため、スポイトや網で除去し、常に清潔を保ってください 。  

2. 水の交換と清掃

2~3日に1回、飼育水の半分程度を交換してください 。  
糞や食べ残しを清掃してください 。  (フィルター付きのエアーポンプがあると楽です)
全ての水を一度に交換すると、オタマジャクシに負担がかかるため避けてください 。  

3. 健康観察

オタマジャクシが活発に活動しているか、餌を摂取しているか、定期的に観察してください 。  
体色や体形に異常がないかも確認してください 。

 

オタマジャクシの育て方(カエルの里親になるために)
卵から2か月ほどでカエルになる

オタマジャクシの成長と上陸

オタマジャクシはまず後肢、次に前肢が生えてきます 。  
四肢が生え揃ったら、カエルとして上陸する準備を始めます。
石や木で陸地を作るか、水槽を傾けることで陸地を設けてください 。  
尾が縮み、カエルの形になったら田んぼへ還す準備をします 。  

自然への放流

成長したカエルは「くにたちはたけんぼ」の田んぼに放流します 。  
放流場所については、「はたけんぼ」のスタッフにご確認ください 。  

 

オタマジャクシの育て方(カエルの里親になるために)
このぐらいになったら田んぼに帰します

プロジェクト参加にあたってのお願い

オタマジャクシやカエルは、慎重かつ優しく扱ってください 。  
水交換後は手を洗ってください 。  
不明な点があれば、NPO法人くにたち農園の会のスタッフに相談してください 。  

保護者の皆様へ

本マニュアルは、NPO法人くにたち農園の会が主催する「カエル里親プロジェクト」の一環として、主に小中学生とその保護者を対象に作成されました 。本プロジェクトは、トウキョウダルマガエルのオタマジャクシ飼育を通じて、地域の自然や生物多様性への関心を深め、命の大切さを学ぶ機会を提供することを目的としています 。  

トウキョウダルマガエルは、近年、生息環境の変化により個体数を減少させており、環境省のレッドリストでは絶滅危惧種に指定されています 。国立市においても、かつては夜間の鳴き声が風物詩となっていましたが、近年急速に減少し、「くにたちはたけんぼ」周辺でわずかに生息が確認できるのみで、その存続が危ぶまれています 。本プロジェクトは、トウキョウダルマガエルの保護および地域での絶滅防止の一助となることを目指しています 。  

お子様が安全かつ有意義にプロジェクトを進められるよう、保護者の皆様のご理解とご協力をお願いいたします。本マニュアルをお子様とご一緒に熟読いただき、日々の飼育活動を見守り、適宜ご助言をお願い申し上げます 。特に水の管理、生物の丁寧な扱い、および放流時の注意点については、適切なご対応をお願いいたします 。

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